ごあいさつ

テロ対策特殊装備展 特別顧問
元内閣官房内閣安全保障室長
佐々 淳行
佐々淳行 氏

  わが国では近年、『危機管理』という言葉が浸透し、さまざまな対策が進みつつあります。特に首都直下地震などへの懸念から、自然災害を指す D (Disaster) 危機への対策が注目され、様々な製品・機器が開発されてきました。
  しかし我々は、Disaster以外にもABCに代表される危機に直面しています。
  まず、北朝鮮などの核実験・核武装の問題や、国内に50基以上ある原子力発電所をはじめとしたエネルギー関連施設への対策は、急がれるべきです。これが A (Atomic) の危機です。次に、新興感染症の発生や鳥インフルエンザの蔓延、そして生物兵器を用いたテロへの危機、B (Biology) の危機があります。さらに危惧すべきものは地下鉄サリン事件に代表される、化学兵器を用いたテロです。同時に近年では、コンピュータ関連の犯罪や、企業のコンプライアンス違反などの問題が多発しています。これが C (Chemical, Computer, Compliance) の危機です。
  これらの多様な危機を現実のものとするテロリズムという非道な行為に対し、我々はしかるべき対策をとらなければなりません。世界各地でテロが頻発している現在、世界経済の中心的役割を持つ日本が、いつ標的にされてもおかしくはありません。
  この状況から、国内の危機管理、特にテロリズムへの対策を行政と企業が連携して進めることが急務となっています。平成16年6月「国民保護法」が制定され、都道府県知事ならびに市町村長は、同法に基づき、それぞれ「国民保護計画」を本年3月までに作成していますが、これを有効に運用するためには、日頃の訓練や準備が必要です。なかでも、本年4月の統一地方選挙で三選された石原慎太郎・東京都知事は、「国民の安心と安全」を公約の第一とし、さらに危機に対応できる人材を育成する方針 (首都大学東京オープンユニバーシティに「総合危機管理講座」を開講 )を挙げるなど、国・地方自治体が一体となって危機に対処するとしています。
  このような視点から、危機管理産業展・特別併催企画として、わが国初ともいえる「テロ対策特殊装備展」が開催されることになりました。テロリズム対策の議論が必要な今、まさに時宜にかなった情報発信の場といえます。最新鋭の機器・機材とノウハウが一堂に会することで、国内外の関係者を啓発し、専門家の育成と資機材の導入の一層の促進につながることと思います。
  多くの皆様が本展示会に参加されることを期待しております。

平成19年5月

 

 

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